(株)環境開発技研 東京都国分寺市

オゾンの安全性について

一般的に、私たちを取り巻いている空気中のオゾン濃度は0.005ppm 程度です。オゾンを生臭いと感じる濃度は0.01〜0.02ppm(自然環境オゾンの2倍から4倍)で、人体に悪影響が出始めるのは0.2〜0.5ppm(自然環境オゾンの40 倍から100 倍)からです。短時間で生命の危険領域になるのは、下表の様に、私たちが鼻で感じることが出来るオゾン濃度の1000 倍以上のレベルです。
 また、私たちは影響を及ぼす最低限界のオゾン濃度の10分の1程度の低濃度でも、感じることが出来ます。
オゾンが直接人体に及ぼすと思われる影響を次の表に示します。(杉光英俊『オゾンの基礎と応用』より)

0.01〜0.02 多少の臭気を覚える(やがて馴れる)。
0.1 明らかな臭気があり、鼻や喉に刺激を感じる。
0.2〜0.5 3〜6時間曝露で視覚が低下する。
0.5 明らかに上部気道に刺激を感じる。
1〜2 2時間曝露で頭痛・胸部痛・上部気道の渇きと咳が起こり、曝露を繰り返せば
慢性中毒にかかる。
5〜10 脈拍増加・体痛・麻痺症状が現れ、曝露が続けば肺水腫を招く。
15〜20 小動物は2週間以内に死亡する
50 人間は1時間で生命危険となる。

 私たちが表に示されている致死量ともいえる、50ppm という高濃度のオゾン雰囲気にいることは、強制的に狭い部屋に閉じこめられ、高濃度オゾン発生器によりオゾンを放出させない限り考えられません。従って放射線と違い、知らない間に致死量のオゾンにさらされることはありえません。

 オゾンの人体への影響は呼吸器への障害が主なもので、酸化力の強いオゾンが体内に吸収されると、鼻から気管を経て肺に至るまでの粘膜を酸化し、それぞれの機能を低下減退させ、麻痺や肺水腫の症状が現れます。また、視力が低下する症状も網膜の酸化によってもたらされます。

 オゾンは人体に害を及ぼす側面はありますが、オゾン療法(大量自家血療法・オゾン注射・オゾン軟膏等)と言われる治療法も数多くの症例が報告されていて、難病・腫瘍・眼科・歯科他医療用としてオゾンの有効性は数多く実証されています。

 オゾン関連の作業環境の許容濃度は、日本をはじめ米国・ヨーロッパなどの多くの国では0.1ppmとしています。

 作業環境の許容濃度とは、標準労働時間8時間(週40時間)の曝露時間として決められています。しかし、生活環境の許容濃度とは、常にその中に住んでいられる濃度のことで、0.06ppm 以下に定めています。

 オゾンは水と空気の殺菌・脱色・脱臭などの環境改善に有効に作用しますが、医療用・半導体の加工技術、魚介類の養殖、植物の栽培等、確実にその応用範囲は広げられてきています。オゾンは過剰に使用しても過剰分のオゾンは酸素となり、全く無害の分子になるという性質はオゾン以外にはありません。

 オゾンは高濃度になればこわい物質ですが、取扱に注意すれば今後の環境技術にとって頼れる物質の第一人者といっても過言ではありません。今世紀の環境改善技術の主役はオゾン以外に考えられないと言われる所以です。

Copyright (C) 環境開発技研 All Rights Reserved